課題
ローンチ当初、Sollectiveはフリーランスと企業のマッチングだけに焦点を絞っていました。しかしその後、フリーランス向けの生産性ツールや業務管理機能へと領域を広げていきます。
提供領域の拡大とともにユーザー層も広がり、仕事を探す人だけでなく、業務効率化の手段を求める人も集まるようになりました。この変化は、次のような重要な問いを突きつけました。
- 新たな機能群を的確に伝えるために、情報アーキテクチャと機能の優先順位づけをどう進化させるべきか。
- Sollectiveがマッチングサービスであり、生産性ツール群であり、コミュニティの場でもあることを、どうすればユーザーに認識してもらえるか。
既存のナビゲーションは、機能の見つけやすさと拡張性の両面で限界を迎えていました。その結果、フリーランスも採用担当者も、案件掲載・契約・メッセージといった機能の間を行き来しづらい状況が生まれていました。
既存ナビゲーションの根本的な問題は、機能の発見しやすさと拡張性にありました。その影響で、フリーランスも採用担当者も必要なツールを見つけられず、案件掲載・契約・メッセージの間を移動するのに苦労していたのです。
解決策
関心の分離
今回のリニューアルでは、プラットフォームの中核となる3つの提供価値を明確に伝える、統一感のある直感的な構造をつくることで、ユーザーの利用を促進することを目指しました。
- マッチングサービス
- 生産性ツール
- コミュニティへのアクセス
特に、ユーザーが共通して抱えていた次のような不満の解消を優先しました。
- 生産性ツールにどこからアクセスすればよいのか分かりにくい。
- 登録した後、次に何をすればよいのか分からない。
- コミュニティの存在や参加方法があまり知られていない。
デザインアプローチ
一貫したユーザー体験を定義する
直感的に使えるナビゲーションを設計するため、類似プラットフォームの競合分析を行いました。うまく機能しているサービスは、機能を親しみやすく文脈に沿ったかたちで提示しつつ、初めて訪れるユーザーの認知負荷を最小限に抑えていることが見えてきました。
重要な発見:コンテキストの切り替え
コンテキストスイッチャーとアプリ的なアイコンのアフォーダンスを備えたSlackなどのプラットフォームを参考に、ユーザーフローを分離し、整理する方法を模索しました。このアプローチにより、ユーザーは余計な情報に気を取られることなく、ひとつのタスクや機能に集中でき、圧倒される感覚が減って使いやすさが高まります。
検証と改善
デザインの反復
ナビゲーション設計は影響範囲が広いため、複数の案を作成し、社内チームと外部ユーザーの双方でバリエーションを検証しました。
- 案1:起動するとインターフェース全体を固定する、スライドアウト型のメニュー。
- 案2:メインのUIコンテキストの上に重なって表示されるドロップダウンメニュー。
ユーザーからは、親しみやすく操作しやすいという理由で全画面高さのメニューが支持されました。固定式のサイドメニューを望む声もありましたが、目的が明確に絞られたSollectiveのユーザーフローには最適ではないと判断しました。
最終デザイン
最終的に、トップナビゲーションバーと開閉式のメインメニューを組み合わせたハイブリッド型のナビゲーションを採用しました。この構成は、明快さとアクセスのしやすさを両立しながら、認知負荷を抑えます。
まとめ
リニューアルしたナビゲーションは、次のかたちで目標を達成しました。
- 多岐にわたるプラットフォームの提供価値を明確にした。
- 初めて訪れるユーザーの迷いを減らした。
- 今後の成長に耐えうる拡張性のある構造をつくった。
丁寧な設計と反復を重ねた結果、Sollectiveはフリーランスと企業が出会い、力を発揮できる一貫したユーザー体験を提供できるようになりました。
このプロジェクトは、デザインの意思決定をユーザーの声と競合分析に根ざして行うことの重要性を、あらためて示してくれました。プラットフォームごとに固有の事情はありますが、拡張性と明快さを見据えて設計することが、長期的な成功の土台になります。
